予選:4番手 決勝:優勝

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)世界耐久選手権シリーズ(EWC)第2戦がポルトガル・エストリルサーキットで7月14日~17日に開催された。前戦のル・マン24時間で耐久レースの醍醐味をまざまざと見せつけられた裕紀。今回は事前テストがなく、火曜日のプライベートテストから始まった。エストリルを走るのは、2012年にMoto2で走って以来9年振り。コースはすぐに思い出すことができたが、1000ccで走るとまた違った難しさがあった。

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)実はル・マンでもあまりマシンセットはいい状態ではなかったこともあり、ここエストリルでも足回り、電子制御と、いろいろ試すことから始まっていた。1台のマシンをマイク・ディ・メリオと裕紀、もう1台をジョシュ・フックがそれぞれ違うセットを試して行くが、いいところもあればよくないところもあり、一長一短という状況が続いていた。

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)水曜日は車検・ブリーフィングがあり、木曜日から公式フリー走行、そして予選1回目、夜間走行が始まる。ここでもマシンセットに終始し、3人のアベレージタイムは1分40秒765で7番手と、上位との差は大きかった。

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)チームはミーティングを重ね、一度昨年のセットに戻すことを決断。金曜日のフリー走行を走ると、若干いいという状態ながらタイムは確実に上がり、予選ではマイクが1分38秒870を出し、3人のアベレージタイムも1分39秒309まで縮まった。グリッドは4番手となったが、それでもトップ3との差は依然として存在したままだった。

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)7月17日(土)午前9時に12時間後のゴールを目指して一斉にスタート。スタートライダーのマイクは、好ダッシュを決めオープニングラップをトップで戻って来る。序盤は5台がトップグループを形成していたが、#37 BMW、#1 YOSHIMURA SERTがクラッシュ。セーフティーカーも何度か入り、どのチームも抜け出すことはできない。日本に比べて湿度は低いものの、気温は30度、路面温度は60度近くまで上がり、マシン、タイヤにとっても厳しいコンディションとなっていた。

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)その後、#5 F.C.C. TSR Honda Franceはブレーキキャリパーを交換しなければならなかったが、マイクが4スティント目ながら頑張りを見せ、トップとの差を約20秒まで縮めていく。マイクから裕紀にかわっても好ペースを維持。これに呼応するように#11もペースを上げていたが、370周目を目前にしたところでスローダウン。ガス欠となってしまったのだ。これで裕紀がトップに浮上!

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)チェッカーライダーを務めたジョシュもしっかりトップを守り切り、そのままゴール。#5 F.C.C. TSR Honda Franceは今シーズン初優勝を飾り、裕紀にとっては世界耐久初優勝を達成する結果となった。

世界耐久 Round 2: -12H of Estoril (PORTUGAL)高橋裕紀「エストリル12時間耐久は、レースウイークの走り始めから苦戦していて、本当に大変なレースでしたが、優勝することができました! チーム、ライダー、関係者のみんなが一丸となってつかんだ勝利だったと思います。ル・マン24時間後なので、短くは感じましたが、それでも8耐より4時間も多いですから。今回も無観客でしたが、次回のボルドール24時間にはお客さんが入れるようです。シリーズランキングもおもしろくなってきましたし、もちろんチャンピオン目指して全力でチャレンジします! 引き続き応援よろしくお願いいたします」