悔しい結果となった開幕戦から約1カ月半のインターバルで迎えたSUGOラウンド。チームは巻き返しを図るべく、プライベートテストを行い、高橋は、そこで好感触を得ていた。しかし、第3戦SUGOの事前公開テストからフィーリングが変わってしまい、タイムも出せないままレースウイークを迎えていた。
初日となった金曜日は朝から雨に見舞われたが、ST1000クラスの走行は11時40分からとなっており、1本目が始まるころには、ドライコンディションとなっていた。マシンセットを進めたい裕紀にとっては、よかったが、雨上がりは非常にスリッピーな路面コンディションとなっていた。1本目は1分29秒162をマークし5番手だったが、2本目は雨が降ってきてしまいウエットコンディションの中、1分40秒291で、ここでも5番手だった。
公式予選が行われた土曜日も朝から雨が降っていたが他のクラスのセッションが始まると雨は止み、路面は乾いていった。ST1000クラスのころには、レコードライン上はほぼ乾いていたが、スリックタイヤで走るにはリスクのある状態だった。セッション終盤の勝負になることは明らかだった。ただ、クリアラップを取るのも難しいのも分かっていた。セッション中盤にコースインした裕紀は、コースの状況を確認しながらペースを上げていき、計測最終周に1分29秒648を記録し5番手となった。
日曜日は快晴となり、朝のウォームアップ走行でもマシンセットを進めるが、なかなかいい状態にならない。ライバルは、1分28秒台前半を記録していたが、裕紀は1分29秒台を切ることができずにいた。
18周で争われた決勝。裕紀は、やや出遅れオープニングラップは7番手で戻ってくる。2周目に前でコースアウトしたライダーがいたため6番手に上がるが、6周目に1台にかわされ7番手に下がる。前のライダーを抜き返したいところだったが、無理をするとリアが出てしまい、逆に差がついてしまっていた。その後は単独走行となり、7位という近年にないポジションでのフィニッシュとなった。
高橋裕紀「チームがプライベートテストを行ってくれたのですが、そのときのフィーリングは、よかったのですが、事前公開テストから歯車が狂い始め、レースウイークに入ってからも、うまくアジャストすることができないまま決勝を迎えることになっていました。前についていこうと無理をすると、おつりがきてしまい、逆に離されてしまうという悪循環。転ばないで完走を目指すのが精一杯でした。今回も多くの方に応援していただいていたのに申し訳ない気持ちでいっぱいです。後半戦で巻き返せるように、しっかり準備していきたいと思っています」