全日本ロードレース選手権、シリーズ後半戦のスタートとなるオートポリスラウンド。ST1000クラスは、2レース制となっており、タイトルを争う上で重要なラウンドとなる。鈴鹿8耐を終え、翌週には事前公開テストがあり、マシンセットを進めていき、急きょ走れることになった3日目の特別スポーツ走行では、トップタイムをマークしていた。しかし、自身の持っているコースレコードにも及ばず、ライバルに対してもスピードが足りていない状態だった。
レースウイークに入っても試行錯誤が続いていたが、金曜日の2本目でアクシデントが発生する。セッション終了間際にファイナルコーナースタンド前で転倒を喫してしまう。ケガがなかったのは幸いだが、マシンのダメージが大きく、公式予選以降はスペアマシンで走らざるを得ない状況となってしまう。
チームはマシンをしっかり用意してくれていたが、実際に走らせて見ると個体差があり、メインマシンとのフィーリングの違いがあった。予選セッションの序盤を使い、アジャストしていき、セッション終盤にアタックし何とか4番手。レース2のグリッドを決めるセカンドタイムでは5番手となり両レースとも2列目からスタートすることになっていた。
迎えたレース1。やはり2台が逃げていき、裕紀は4番手につけ、3番手を走る津田選手を追っていく。レース中盤に追いつくと、ホームストレートでかわし3番手に浮上。そのまま3位でチェッカーフラッグを受け表彰台の一角に上がった。
レース2も厳しい戦いになることは分かっていた。好スタートを見せた裕紀は2番手につけ、このままペースを作っていけるかと思っていた矢先、赤旗が提示される。レースは仕切り直しとなるが、周回数は規定周回数ギリギリの9周で争われることになる。
2度目のスタートでは5番手で1コーナーに入っていき、3コーナーで津田選手をかわそうとしたところインに入れず、やや失速したところを南本選手と岩戸選手にかわされてしまいオープニングラップは7番手で戻ってくる。オープニングラップでトップの2台は逃げてしまい厳しい展開となっていた。それでも3周目までに4番手に上がり前を追っていくが9周は余りにも短かった。レース2は4位となり、シリーズランキングでは、トップから8ポイント差の3番手となった。
高橋裕紀「レースウイークを通して難しい結果になってしまい、すごく悔しいです。ただ、課題となっている部分は、明確になってきているので、そこを解決して、次戦の岡山、そして最終戦の鈴鹿で、この悔しさを晴らせるようにチームと共に精一杯頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします」