全日本ロードレース選手権も今回の第7戦岡山を含めて残り2戦となった。前回は転倒から流れが悪くなってしまったが、今回は、ライバルとの差を縮めようと、事前テストから試行錯誤を繰り返し、ようやく形になってきていた。一発タイムは、なかなか出すことができなかったが、アベレージタイムを重視し、あくまでもレースで勝つことを考えながらチームと共にマシンセットを進めた。
レースウイークに入ってもライバルは速かった。特に國峰選手は予選で大幅にコースレコードを更新しポールポジションを獲得。裕紀も自己ベストを更新するものの4番手と2列目からのスタートとなっていた。
日曜日は、台風14号の接近によってタイムスケジュールを短縮して行われた。ST100クラスは、18周から15周に減算してレースがスタート。裕紀は、好スタートを切り2番手で1コーナーに入っていくが、トップを走る國峰選手のペースが速く、やや引き離されながらも必死に食らいついていく。背後には、渡辺選手が迫ってきており緊迫した展開が続く。
レース中盤になると、ジリジリと國峰選手との差が縮まり、バックマーカーが出てくるとレースが動く。國峰選手が1コーナーでバックマーカーにひっかかった際に一気に差が縮まったが、裕紀もシケインで引っかかってしまい再び差が開いてしまう。さらに13周目のモスエスでもバックマーカーが現れ、汚れている路面の方からかわしたため、続くアトウッドカーブでふくらんでしまい渡辺選手にかわされてしまう。
すでに何度も転倒しそうになっており、特にフロントは限界を超えていたこともあり、着実にゴールすることを選び3位でチェッカー。またも悔しいレースとなったが、ライバルとの差は縮まっている。最終戦鈴鹿で、この悔しさを晴らすことを目指す。
高橋裕紀「スタートはうまく決まって國峰選手にいかに離されないようについていくことだけを考えて全力で走っていました。何度も転びそうな場面もありましたし、とにかく必死でした。レース終盤に2台のバックマーカーをうまくかわせていたら、と思いますし、目の前に優勝があっただけに悔しいレースになってしまいました。チャンピオンシップでは、自力で獲得する可能性がなくなってしまったので、チームも頑張ってくれていますし、最終戦鈴鹿は、勝ってシーズンを締めくくれるように頑張ります」