予選:P.P. 決勝:2位

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)コロナ禍の中、8月に開幕した全日本ロードレース選手権も今回のツインリンクもてぎラウンドが終われば、最終戦鈴鹿のみ。第2戦岡山が台風で中止になったため4戦で争われることになった。裕紀は2戦連続でポールtoフィニッシュを飾り、今回もその記録を伸ばすべくサーキット入り。チームと共にマシンセットに勤しんだ。

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)今回も事前テストはなく、前週のスポーツ走行を走り、その流れで木曜日の特別スポーツ走行からレースウイークがスタートした。木曜日はどんよりとした曇り空。気温も低かったが、ドライコンディションとなり、裕紀は2回目のセッションで1分51秒131をマーク。金曜日は晴れ間も見える好天となり、ただ一人1分50秒台に入れる1分50秒818をマークし順調にセッティングを詰めてきていた。

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)公式予選は、天気予報通り雨となったが、ウエットコンディションでも裕紀の速さは変わらなかった。セッション開始早々から2番手以下に大きな差をつけリーダーボードのトップに立つと、セッション終盤に2分02秒337をマーク。2番手を1秒8も引き離す圧倒的なタイムで3戦連続ポールポジションを決めた。

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)日曜日は青空が広がり、朝のウォームアップ走行で金曜日のセットを試し、いい手応えを感じた裕紀は、セッション最後にトップタイムを出し、木曜から全てのセッションでトップという完璧な仕上がり。優勝すれば最終戦を待たずにタイトルを決める可能性もあり、レースでも死角はないと思われていたのだが…。

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)ポールポジションから好スタートを切った裕紀だったが、インから来た渥美選手に前をふさがれ2コーナーへの加速がにぶってしまう。そこを名越選手にかわされ、3コーナーへは3番手で進入。5コーナーで渥美選手をかわし2番手に上がると名越選手を追い、オープニングラップから一騎打ちのトップ争いとなって行く。走り始めて見ると、今ひとつフィーリングがよくなく、加速で名越選手に引き離されてしまい、なかなか勝負を仕掛けるところまで行けないでいた。そのままチャンスを伺うが、名越選手もすばらしい走りを見せ、隙がなかった。

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)レース終盤になってもその差は変わらなかったが、このまま勝負を仕掛けないで終わることは、裕紀のプライドが許さなかった。ファイナルラップを迎え、3コーナー、5コーナー、S字コーナー進入、V字コーナーと仕掛けられずに進んで行く。そして最後の勝負ポイントでもある90度コーナーで仕掛けるために、ヘアピンの加速に全神経を集中してアクセル、そしてリアタイヤのグリップを五感で感じながら立ち上がって行き、ダウンヒルストレートでスリップストリームに入ると、90度コーナーのブレーキングで前に出て行く。しかし、クロスラインを取られてしまい万事休す。僅かに及ばず悔しい2位となったが、ファステストラップと最後の勝負で意地を見せたレースとなった。

全日本 Round 4: -MOTEGI (栃木)高橋裕紀「金曜日の時点でドライのセットはかなり煮詰まってきていたので、その状態でレースに臨むことを決めました。朝のウォームアップ走行での感触も悪くなかったので、本当にそのまま決勝を走ったのですが、路面コンディションの違いからか、いいときの一つ前の段階のフィーリングになってしまっていました。ブレーキングは、すごくよかったのですが、加速部分でうまくグリップさせられなくなってしまったのがバトルでは厳しかったです。鈴鹿の最終戦では、その様なことがないように、しっかり準備して最高の結果を応援してくださっている皆さんと分かち合いたいですね」