高橋裕紀の2019年シーズンがスタートした。今シーズンもKYB MORIWAKI RACINGからのエントリーだが、鈴鹿ラウンドのみのスポット参戦となる。鈴鹿8耐参戦も予定しているため、まだペアライダーなどは白紙の状態ながら鈴鹿8耐を戦うことも見据えたマシンづくりが求められる。
今年JSB1000マシンで初走行となったのは、3月に行われた「モースポフェス2019 SUZUKA(モータースポーツファン感謝デー)」のデモレースだったが、翌日のテスト走行は冷たい雨に見舞われほぼ走行できない状態だったため、鈴鹿2&4レースの前週に行われたプライベートテストが実質初走行となっていた。ここで昨年の最終戦以来半年ぶりにレーシングスピードで走り、オフシーズンに練ってきたことや新しいパーツの確認を行って、このレースウイークを迎えていた。
4輪のスーパーフォーミュラやフォーミュラ3との2&4レースは、そのタイヤラバーがのるとすべりやすくなる傾向があるが、今回裕紀に関してはそれほど影響を受けなかったと言う。その問題よりも、ある程度のラップタイムに到達すると旋回性に問題が出てしまっており、レースウイークでできる範囲でトライ&エラーを繰り返して行った。
2組に分かれて行われた公式予選。裕紀はAグループでのタイムアタックとなり2分07秒630とA組6番手につけ、総合では10番手。レース2のグリッドを決めるセカンドタイムでは12番手と、両レースとも4列目からのスタートとなった。
土曜日の午後に行われたレース1。周回数は昨年より4周減り、14周で争われた。まずまずのスタートを切った裕紀は、10番手でオープニングラップを終え前を追う。3周目に前で転倒があり9番手に上がるが、レース中盤以降はペースを上げることが難しい状況になってしまう。必死にマシンをコントロールする裕紀だったが、2台にかわされ11位でチェッカーフラッグを受けた。
レース1のセッティングは今ひとつだったため別の方向性でセットを進め、日曜日朝のウォームアップ走行でよくなっていることを確認し、レース2に臨んだ。マシンはレース1よりよくなっていたが、根本的な解決には至って折らず、ライバルとの差は詰めることができていなかった。レース2もスタートすると10番手につけ、序盤は2分08秒台で周回。
それでも前との差は開いてしまい、中盤からは2分09秒台、レース終盤は2分10秒台という状況となっていた。終盤に後方から来たライダーとバトルになり何とか踏ん張っていたが、ラストラップのバックストレートでかわされてしまう。抜き返したいところだったが、無理して勝負してもリスクが多かったため12位でゴールすることを選んだのだった。
結果は決して満足行くものではなかったが、鈴鹿8耐に向けて現状の把握とマシンの方向性を確認。多くの収穫があった鈴鹿2&4レースとなった。
高橋裕紀「今シーズンは鈴鹿のみの参戦となるので、今回が僕たちの開幕戦になりました。開幕戦ツインリンクもてぎのリザルトを見ていて、みんなすごいタイムで走っていたのである程度予想はついていましたが、現実はさらに厳しいものがありました。ただ、自分たちの中での改善点も見つかりましたし、鈴鹿8耐に向けて少しでもライバルとの差を縮めて行きたいと思っています。今回も多くの皆さんに温かいご声援をいただきました。本当にありがとうございました」